コラム

どっちが上弦?どっちが下弦?

2018/10/29 考える知識

 月を表す日本語は数多くありますが、中でもユニークなのが「上弦の月」と「下弦の月」ではないでしょうか。

 この2つはともに半月で、月を弦の張った弓に見立てたものですが、右半分が輝いている月を「上弦の月」、左半分が輝いている月を「下弦の月」と言います。同じ半月を左右で呼び分けるのは、恐らく日本くらいなものです。呼び分けの由来は諸説ありますが、有名なものは次の2つ。1つ目は、太陰暦(新月から始まる月の満ち欠け1周を一か月とする暦)を使っていた時代に、月の前半(上旬)の半月を上弦の月、月の後半(下旬)の半月を下弦の月と呼んだというもの。2つ目は、西の地平線に沈む時に、弦が上に位置しているか、下に位置しているかでどうかで呼び分けたというもの。地球から見て、月はワイパー状に動いていきますから、上弦の月は弦にあたる部分を上にした状態で沈んでいくというわけですね。

 (さく)三日月(みかづき)望月(もちづき)十六夜(いざよい)有明月(ありあけづき)……他にもたくさん月の名前がありますから、興味があれば調べてみてくださいね。


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