コラム
六月に降る五月雨
2015/6/8 考える知識
公園のウメの実も少しずつ黄色く染まってきました。もうすぐ梅雨(つゆ)になりますね。ところで梅雨時の雨のことを五月雨(さみだれ)と言いますが、不思議に思いませんか?梅雨は六月頃ですから、「六月雨」のほうが良さそうなものです。しかしこれには理由があります。
現在私たちが用いている暦(カレンダー)は「太陽暦(たいようれき)」といって、太陽を基準にした暦です。季節と日付が毎年ほぼ一致する優秀な暦で、ほとんどの国で採用されています。しかし昔の日本では「太陰暦(たいいんれき)(太陰太陽暦)」といって、月の満ち欠けを基準にした暦が用いられていました。太陰暦は太陽暦と比べて、季節と日付に最大一か月程度のずれがあります。だから、昔の日本人の「五月」は私たちにとっての「六月」頃なのです。