コラム
お坊さんも走る
2017/11/28 考える知識
一年が経つのはあっという間ですね。早いものでもう師走。年末年始に向けて街も慌ただしく動き始めます。ところで、何故12月のことを「師走」というのか、由来を耳にしたことはありますか?
実はこの「師走」という言葉、かなり昔から使われており、平安時代にはすでに由来が分からなくなっていました。しかし分からないものを分かりたいのが人の常。様々な民間説が生み出され、今日まで語り継がれています。例えば「師(偉いお坊さん)が走る説」。日本には昔から、年末になるとお坊さんに自宅まで来てもらいお経を唱えてもらう風習があったため、師が忙しく走る月ということで、師馳す(しはす)→師走(しわす)になったという説です。あるいは「年が果つ説」。12月は一年が終わる月ということから、年果つ(としはつ)→としはす→しはす→しわす、と変化していったという説です。昔の人も面白い推理をするものですね!
...続きを読む北原 白秋
2017/11/2 考える知識
11月2日は北原白秋という偉大な文学者の命日であり、彼の文学的業績を偲ぼうということで「白秋忌」とも呼ばれています。白秋といえば、中学国語の教科書に必ず短歌が載っているほど有名な歌人ですが、実は詩や童謡にも多くの傑作を残しています。例えば『♪あめあめ ふれふれ かあさんが じゃのめで おむかい うれしいな ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン』という誰もが口ずさんだことがあるこの歌詞は白秋が手掛けたものです。
白秋の代表的な短歌も一つ挙げておきましょう。
『春の鳥 な鳴きそ鳴きそ あかあかと 外の面の草に 日の入る夕』 ※ 春の夕暮れ時、戸外の草原を赤々と染めながら、夕陽がゆっくり沈もうとしている。小鳥よ、そんなに哀しい声で鳴かないでおくれ。いよいよ寂しさが募っていってしまうから。※
作品によってこれだけイメージがちがうことこそ、白秋が天才である証なのかも知れませんね。
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