コラム
「国語力が育つ畑」に肥えた土を!
「国語力が育つ畑」に肥えた土を!
進学教室ルータス 代表 山根克宏
お子さんの国語の成績や勉強方法で悩んでいる方はいらっしゃいませんか?もしそうでしたら、いえ、そうでなくても、私の話を聞いてみてください。お役に立てることがあるかもしれません。
しみじみとしたコミュニケーションを図る力
そもそも国語力とは何でしょう?さまざまな意見があるでしょうが、私は「日本語を介して、深く正確な、時にしみじみとしたコミュニケーションを図る力」と考えています。国語力は、人間関係を築いていくうえで欠かせないものなのです。
「国語力が育つ畑」とは
さて、本題です。わが子の国語力を伸ばすにはどうすればいいか?読書や音読という鉄板ルートにはあえて触れずに、親だからこそできる三つの方法をご紹介します。
第一に「親子の会話は国語力が育つ畑」と心得ることです。低学年のうちは「なぞなぞ」や「しりとり」で遊びましょう。言葉に対する感覚が鋭くなります。また、「例えば、どんな本?」「つまり、何が悔しかったの?」などと優しく問い掛けてみてください。相手に伝わり易い言い回しを工夫するようになります。ダジャレや比喩表現、皮肉っぽい言い方などを使ってみせることも、お子さんが表現の幅を広げる手助けになるはずです。畑を耕すような気持ちでお子さんと会話をしましょう。
第二に「漫画やドラマなどによる擬似体験」を積ませることです。NHKの朝ドラや大河ドラマを家族そろって観ていて、お父さんが感涙にむせんでしまったとします。子どもは驚き、「あれっ、悲しい場面じゃないのになんで?」となるでしょう。あるいは、戦時中のひもじい食生活を知り、「こんな大変な時代があったのか……」と心を痛めるかもしれない。こんな経験を重ねるうちに、感受性が豊かになり、人情の機微もわかるようになってきます。畑に水を撒くように、子どもの心に潤いを与えましょう。
第三に「子どもを塾に預け、中学受験に挑ませる」ことです。小4からの数年間は思考力を伸ばしやすい時期で、「勉強のゴールデンエイジ」と呼ばれます。この機を逃さず、中学受験に挑戦させて欲しいと思います。漢字をきちんと覚えることは基本中の基本で、ここを御座なりにしてはいけません。「駅に行く」のエキは音読み。「見当をつける」と「検討する」は同音異義語。「理性」の対義語は「感情」で、「本能」ではない。これらのことを、理由まで含めて教えている塾なら信頼できるはずです。また、「後ろめたい」「葛藤」「奥ゆかしい」「慈しむ」「風情」など、要求される語彙においてもハードです。さらに物語文の読解において差がつくのは、「主人公にふりかかる困難や悩み」と「それを克服する前後での心情変化」を記述させる問題です。固定観念や主観をいったん脇に置いて、視点を高いところに移して読み取りたいところですが、精神的に幼いタイプにはこれがなかなか難しい……このように、中学受験の内容は大人顔負けの難しさですが、子どもたちは志望校への憧れを胸に、傷ついたり誇りを感じたりしながら立ち向かっていきます。なにより、小学生のうちに優れた随筆や論説文に触れる経験はかけがえのない財産となるはずです。塾は上流の肥えた土をそれぞれの畑まで運ぶ川の役目を果たします。
人間的成長や教養に寄り添って磨かれていく
素直な気持ちで話が聞けて、人を勇気づける言葉を持った人間に育って欲しい。そんな親の願いが子どもの国語力の源なのではないでしょうか。
国語力とは、人間的成長や教養に寄り添って磨かれていくものであり、自分らしい未来を切り拓く力です。目先の成績にとらわれ過ぎず、周りの大人たちが大切に育んでいかねばなりません。
(2022年3月浦安新聞掲載)
...続きを読む中学生の皆さん、「暗算」計算力を身につけて数の感覚を磨きましょう!
2016/10/6 代表執筆
算数や数学の問題を解くとき、多くの生徒は「筆算」に頼りすぎる傾向にあります。問題を読むや否や、片っ端から「筆算」に取り掛かるのです。たしかに「筆算」がきちんとできることは大事です。でも、274−175(274-174なら100だから、そこから1を引いて99)や15×12(15の4倍は60で、その3倍だから180)程度なら暗算で解けるようにしたいもの。その方が「速くて正確」だし、計算の工夫をすることで数の感覚が磨かれるからです。
① 38×87+13×38=
② 2万×3万=
③ 1111×1111=
④ 0.625×64=
⑤ 801÷9=
⑥ 3997+206=
⑦ 25×33=
大切なのは「どう計算すれば速く正確に答えを出せるのか」ということを自分の頭で考えることです。決まった手順に則った作業である「筆算」を何回繰り返しても、応用力はもちろん計算力すら身に付きません。「まずは筆算、の癖」はつけたくないものです。
解答:①3800 ②6億 ③1234321 ④40 ⑤89 ⑥4203 ⑦825
①38×(87+13)=3800
高さ38cmの積み木が87段と13段別々に積まれている。合わせたら100段ですね?
②「万倍したら次の箱!」→日本語の場合は万×万=億。億×万=兆。
英語やドイツ語なら「千倍したら次の箱!」→thousand(千)×thousand=million(百万), million×thousand =billion(十億)。
二兆三千五百億八十二万六千四十一円は、日本でも彼らの習慣に合わせて3桁ごとにカンマを打ち¥2,350,000,826,041と表記しますが、¥2,3500,0082,6041の方が日本人にとって読み易い、と思うのは私だけでしょうか…。
③11×11=121だし111×111=12321、1111×1111=1234321です。筆算して終わりではなく、よく観察して何かに気付くことが大切です。では11111×11111=?もうお分かりですね!
④0.625=0.5+0.125=4/8+1/8=5/8。少数のまま筆算しますか?
⑤9をひとつ足して810÷9とすれば九九八十一で答えは一瞬で90。はじめに足したひとつを除けば89。筆算とどちらが速いでしょうか?
⑥3997を4000―3、206を200+6 と考えれば、(4000―3)+(200+6)=4200+3=4203。
⑦25×33=25×32+25=25×4×8+25。25×4=100と125×8=1000は基本中の基本です。
「置くとパス」
2016/6/30 代表執筆
広島県尾道市生まれの私は、瀬戸内の魚が大好物です!穴子、シャコ、アイナメ(あぶらめ)、カワハギ、渡り蟹、デベラ(出平鰈/刺身を召し上がった昭和天皇が「美味」と仰ったらしい!)、そして蛸(タコ)。
蛸といえば、兵庫県の明石と並んで広島県の三原(実は蛸の水揚げ量日本一!)が有名です。
三原駅では2011年から毎年受験シーズンになると「置くとパス(合格)」という合格祈願の置き物を展示しています。
さらに、無料で持ち帰れる蛸の絵柄が入った絵馬まで配布しています。
夏は受験の天王山。「置くとパス」の季節はまだ先だけど、夏の間に基礎を固めておくことが大事です。
頑張れ、受験生!!
英英王選手権
2016/6/30 代表執筆
英英辞典の活用は、英語を楽しく学習するうえで効果的です。

eight legs、networkあたりから推測できる子が大半ですが、たま〜に「タコ!」と答える子もいます(笑)
octopus は八本の足(ギリシャ系英単語)ということですが、ロングマン英英辞典には、a sea creature with eight arms とあります。
英英王選手権、ネーミングセンスはさておき、おおむね好評です(^ ^)
30秒で出来たら天才!
2016/6/21 代表執筆
秋山仁氏が館長を務める「数学体験館」に行ってみよう!!
https://oae.tus.ac.jp/mse/taikenkan/
「数学の美しさ」を肌で感じる。
そのことで、算数や数学が好きになる子どもはたくさんいるはず。
進学教室ルータスでも、算数や数学を好きな生徒を増やす工夫はしています。例えば、国語の時間などにクイズ形式で生徒に質問し、様々な考え方を引き出します。
問題)
1/7=0.142857142857142857…
2/7=0.285714285714285714…
3/7=0.428571428571428571…
では、4/7は?
ただし筆算は反則だよ〜
『数学体験館 秋山館長からのメッセージ』
https://oae.tus.ac.jp/mse/taikenkan/message/
Q.計算問題は得意ですが「文章題」が苦手。どうすれば算数が得意になるのでしょう?
2016/5/17 代表執筆
A.具体的にイメージして考える習慣が大切です!
進学教室ルータス代表 山根克宏
式にこだわらないところから始めましょう!
計算は得意だけど文章題は苦手というお子さんは、“やり方”にこだわり過ぎているように感じます。まずは自由に解いてみればいいのです。「1個7円のあめを5個買ったらいくら?」なら、7を5回足して35円でも、10個で70円だから半分の35円でも構いません。自分なりに考える習慣が大事です。
計算を文章題に置き換えて解く習慣を!
自分なりに考えられたら苦労しない?なるほどそうかもしれません。そこで提案です。逆に、計算問題を文章題に置き換える練習をしてみてはどうでしょう。「129÷3」なら『129ページの本を3日で読むには1日何ページずつ読めばいい?』という具合に。これに慣れると「2÷1/3」も『ピザが2枚あります。1人3分の1枚ずつ食べると何人が食べられる?』というふうに置き換えられるようになります。そうすれば、ベンツのマークをイメージしながら「ピザ1枚で3人分だから2枚で6人分!」と考えられるかもしれません。“分母と分子をひっくり返してかける”という計算技術にこだわる前に、具体的にイメージして考える習慣が大切です。
計算と文章題は、国語における語彙と読解の関係に似ています。計算と文章題を切り離して考えるのではなく、相乗効果で伸ばしていく心構えが肝要です。
(2016年5月浦安新聞掲載)
今、日本の教育は 転換期を迎えている。
2016/4/25 代表執筆
今、日本の教育は転換期を迎えている。
進学教室ルータス代表 山根克宏
2020年から、大学入試が大きく変わる!
「教育の2020年問題」という言葉を最近よく見かけますが、この意味をご存知ですか。
今の中2が高3となる2020年から大学入試が変わります。「内申」も「センター試験」も廃止され、それぞれの代わりとなる二つの新テストが実施されます。どちらもCBT方式と呼ばれる、コンピュータ端末を利用する受験形態が検討されています。パソコン操作にも慣れさせておきたいですね。
また、問題の中身も大幅に見直される模様。国語の問題で「筆者の主張に対するあなたの意見を述べなさい」と問われたり、理科や社会の問題が英語で出されたり、答えが一つに定まらない問いに自分なりの根拠で答えることを要求されたり。主体性や総合力、問題解決能力などの“21世紀型学力”が試されます。
大学入試が大きく変わるなら、小学生や中学生の学び方も違ってきて当然。「教育の2020年問題」は、もう動き出しているのです。
堅固な基礎と柔軟な発想の両方を伸ばす
さて、小・中学生はどんな学び方を心掛ければいいのでしょう。授業中は他者の考えに耳を傾け、自分の考えを練り直し、間違いを恐れずに意見を言う習慣をつけましょう。
塾や学校で討論型授業が増えるのは明らかですが、その分基礎の定着は家庭学習に回されることになります。何事も基礎は大事。新しい入試に対応するには、堅固な基礎と柔軟な発想の両方を伸ばすよう心掛けましょう。
(2016年4月浦安新聞掲載)
中学受験を左右する “大人たちの眼差し” とは?
2016/1/29 代表執筆
中学受験を通して主体性を培う!
進学教室ルータス代表 山根克宏
「欲しい生徒」を見極めるための入試問題。
中高一貫校の大半は、責任を持って預かれる生徒を選別するための入試を実施しています。「校風に合った生徒、入学後の伸び代がある生徒を見極めたい。」そう考えて、真剣に問題作成に取り組んでいるのです。入試問題は、学校ごとの特色が色濃く表れた内容になっていて、無色透明な模試の偏差値で合否を占うことは難しいと言えます。
主体的な学習姿勢が、第一志望合格の鍵。
四・五年生のうちに文化祭や説明会に足を運び、学校文化や教育方針に触れる。六年生の秋以降は、過去問を解いて出題傾向を研究し、それに対応できる学力を磨く。「この学校に通いたい!」という情熱に支えられた主体的な取り組みこそ、第一志望合格の鍵なのです。
初めから「主体性」のある子は、1%未満。
もちろん、初めから主体的に勉強できる子なんていません。漢字を覚えるのが面倒だったり、算数の宿題がなかなか終わらなかったり。辛くて、嫌になってしまう日もあるでしょう。そんな時、大人は「努力もせずに初めから面白いことなんて滅多にあるもんか。」と言って毅然と諭すべきだと思います。
努力が結果に表れた達成感は、やがて好奇心や意欲を膨らませ、「勉強することで自分が成長できている」という充足感まで繋がっていきます。四年生までは、達成感を道標にできていれば大丈夫でしょう。
大人たちの眼差しが子どもの主体性を育む
努力が結果に表れたという喜び。そこが始まりです。その達成感を好奇心や意欲へと繋げ、やがては「勉強することで自分が成長できている」という充足感まで子どもを導いていくのも大人たちの役割です。
「模試の結果もさることながら、あえて中学入試という険しい道を選んだ勇気を見守っていこう。」そんな大人たちの眼差しが、子どもの主体性を育む土壌であり、受験本番での底力となるにちがいありません。
(2015年1月浦安新聞掲載)
高校受験に向けて今からできること
2015/11/25 代表執筆
難関県立高校を目指すための学習姿勢とは?
進学教室ルータス代表 山根克宏
千葉県公立高入試では数学と国語が難しい…
今春の千葉県公立高校前期選抜で80点以上得点した生徒を見ると、英語約30%、理科・社会約20%に対して、国語は3%、数学は1%しかいませんでした。ここ数年、数学と国語が極端に難しい傾向が続いています。
詰め込み学習では届かない、5教科430点。
また、千葉高や船高の合格ラインは5教科で約430点でした。数学と国語の難しさを考えると簡単には取れない点数です。
易しい問題で高得点を競う一昔前までの入試では、内申点も重要、詰め込み学習も有効でした。でも今は、「内申点が学力を反映しているとは思えない」と高校の先生方が口を揃える時代です。内申点に囚われ過ぎない学習を心掛けましょう。
知識を組み合わせて問題を解く鍵へと変える力抜きに、難関県立高合格は考えられないのです。
脳をフル稼働させる塾の授業で思考力を磨く。
中1や中2は定期試験の準備に気をとられがちですが、塾で問題を解く時には脳をフル稼働させましょう。数学の時間に「わかったかも!」と自分の閃きに興奮したり、国語の読解演習で難解な文章と苛々しながら格闘したり。塾は思考力を磨く真剣勝負の場なのです。
高校受験準備は小学生から塾で始めよう!
数学の方程式の文章題や一次関数の大半は、実は算数で解くことができます。だからこそ低学年のうちから数の仕組みを理解し、高学年では速さや割合と比の学習を通じて式が表す意味を体感することが大きな助けとなるのです。また国語では、文章と真剣に向き合い、テーマを捉える意識を育てることが不可欠です。
高校受験の準備は小学生のうちに信頼できる塾で始めたいものですね。
(2015年11月浦安新聞掲載)
中学受験は、「知力」を伸ばす絶好の機会!
2015/10/21 代表執筆
中学受験は、「知力」を伸ばす絶好の機会!
進学教室ルータス代表 山根克宏
“ゴールデンエイジ”に質の高い学習を!
小4から小6くらいまでは“ゴールデンエイジ”と呼ばれ、スポーツや音楽など様々な分野で子どもの能力が劇的に伸びる時期と言われています。
中学受験の利点は、この貴重な時期に質の高い学習を経験することで、「知力」を大きく伸ばすことにあると思います。
「国私立中入試」は“知恵比べ”の世界
「知力」とは蓄えた知識と経験を活かして問題解決を図る力。国私立中の入試で試されるのはこれです。小学校のレベルを遥かに超えた知識と思考力が要求され、“知恵比べ”のような世界です。
中学受験の成否には、学習の量とともに質が大きく関わってくるのです。
「詰め込み学習」は合格を遠ざける学習法
中学受験に挑む選択には危険も潜んでいます。それは、塾講師や保護者の方が目先の成績にとらわれて、子どもを「詰め込み学習」に追い立ててしまうことです。
理解を軽視し試行錯誤する過程を省いた学習では、一時的に成績が上がっても「知力」は育ちません。難関中学を目指す場合は「詰め込み学習」で偏差値を上げても合格が遠ざかるだけです。
周りの大人の覚悟が、子どもの成長を支える
子どもの目が輝くような学び。これこそ中学受験の醍醐味です。理解を伴った知識には「なるほど、だからか!」という感動があります。思考力は、間違ってもいいから試してみる勇気に支えられて育ちます。有意義な刺激を日々受けながら好奇心も膨らんでいきます。
中学受験は親の受験。“子どもの成長を信じて見守る大人たちの覚悟が、実り多き中学受験の土壌”と心得たいものです。
(2015年10月浦安新聞掲載)