コラム

ひまわり

ひまわり

2022/9/3 考える知識

 まだまだ日中は暑いものの、夜間はだいぶ涼しくなってきましたね。ひまわり畑のひまわりたちも花の季節を終え、種をぎっしりつけた頭を重そうにうつむけています。ところが、夏が過ぎても活躍し続けるひまわりがあるのをご存知ですか。そう、日本の気象衛星「ひまわり」です。

 私たちが日ごろお世話になっている天気予報は、地球の軌道上を周る「ひまわり」から送られてくるデータを元に立てられています。ひまわりは赤道上空約35800kmを地球の自転と同じ周期で回っており、いつも同じ範囲を観測できるので、台風や前線の連続観測が可能なのです。初代ひまわりは1977年から運用されており、現在はひまわり8号と9号が運用されています。メインで運用されているのが8号、8号に何かあったときの予備として待機しているのが9号、そして今年の12月には8号と9号が交代予定です。

 また「ひまわり」が宇宙から10分おきに撮影した地球の写真は、東アジア諸国に提供されているだけでなく、誰でも自由にインターネット上で見ることができます。理科で習った知識と照らし合わせながら見てみるのも面白いですよ!

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もすもすモスキート

もすもすモスキート

2022/8/1 考える知識

 今年もあの季節がやってきました。そう、蚊の季節です。蚊に血を吸われるとウンザリしますが、蚊は血だけを吸って生きているのではないということをご存知でしょうか。

まず、血を吸うのはメスだけです。それも主食ではなく、メスの蚊は産卵前の栄養補給のためだけに哺乳類の血を吸います。蚊が通常主食としているものは、花のミツや草の汁などです。普段はベジタリアンなんですね。

 吸血し卵巣を発達させたメスは、水面に卵を産みます。ヒトスジシマカは約80個、アカイエカなら150400個程度です。その後3日前後で「ボウフラ」と呼ばれる幼虫が生まれ、710日後には「オニボウフラ」呼ばれる(さなぎ)になります。このオニボウフラ、なんと蛹のくせに幼虫と同じくらい活発に動くんですよ。そして3日程度で私たちのよく知る成虫になります。成虫の寿命はわずか23週間で、その間に交尾と産卵をし、一生を終えます。そう考えると多少の吸血は許す気に……なりませんね、やっぱり!

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家族生物

家族生物

2022/7/4 考える知識

 生物の分類をするときに、「科」というグループ分けが存在します。英語で言うとfamily】、つまり「家族」と同じです。カボチャとメロンはウリ科、キツネやタヌキはイヌと同じイヌ科……といった具合に、共通の近しい祖先を持った者同士を同じ科としてまとめているのです。

同じ科の生物同士は似た特徴を持つことが多いのですが、中には言われなければ同じ科だとは思わないものもあります。たとえば、バラ科。バラはもちろんとして、イチゴやサクラ、モモ、ビワ、リンゴ、カリン、アーモンドなどもバラ科の植物です。今あげた植物はすべて身近なものではありますが、草花であったり低木であったり高木であったり、生えている様子は様々。利用の仕方(どこを食べるかなど)も様々です。バラ科だけにバラバラ……ということ!?

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江戸時代のトイレ事情

江戸時代のトイレ事情

2022/6/6 考える知識

 外国人観光客へ「日本のどこに驚いたか」と尋ねると「トイレのハイテク具合に驚いた」と答える人が結構な割合でいらっしゃいます。私たちには当たり前でも、完全自動水洗機能にウォシュレット、流せる紙などがすべて揃ったトイレがいたるところにあるというのは、世界的にみても珍しいのです。日本は「トイレ先進国」なわけですが、これは今に始まった話ではなく、江戸時代にはすでに世界的に見ても高度なトイレの仕組みがあったとご存知でしょうか?

 江戸時代の日本のトイレは主にくみ取り式で、排せつ物は肥料として重宝されました。農家の人や「下肥え買い」という専門業者が「肥料に使うから汲み取らせて!」と言って、お金や野菜などを支払ってご近所のトイレまでくみ取りに来るのです。

排せつ物が肥料となり野菜が育つ→野菜と交換で排せつ物を回収する→また排せつ物が肥料となり野菜が育つ……という、まさにムダのないリサイクル。同時代のヨーロッパではおまる(﹅﹅﹅)に貯めた排せつ物を窓の外に投げ捨てるのが当たり前だったと言いますから、当時から日本がトイレ先進国であったのは間違いありません。

 ここでは紹介しきれなかったトイレットペーパーやウォシュレットなども、「当たり前」と思わずに歴史を調べてみると面白いかも!?

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夏も近づく八十八夜

夏も近づく八十八夜

2022/5/9 考える知識

 ♪夏も近づく八十八夜……小学校で合唱した人もいるのではないでしょうか。初夏に見られる茶畑の様子を唄った「茶摘み」の唄い出しです。ところで、この歌詞に出てくる八十八夜とはなんでしょうか?

 八十八夜とは、立春から数えて88日目のこと。平年なら52日、閏年なら51日になります。なぜ茶摘みと関係があるのかというと、「八十八夜の別れ霜」「八十八夜の泣き霜」とも言われるように、春・初夏のぽかぽか陽気から一転、遅霜が発生しやすく、茶葉をはじめとする農作物に霜害がでやすい時期だからです。昔の日本は「太陰暦」といって季節と日付が最大半月もずれてしまうカレンダーを使っていたので、農家の人々がうっかり霜害対策を忘れないように生まれた日本独自の雑節というわけですね。

反面、八十八夜に摘んだ茶葉は上等品とされたり、八十八夜に茶を飲むと長生きするとされたりしています。今年の八十八夜はお茶を楽しんでみては?

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タンポポ

タンポポ

2022/4/4 考える知識

 だんだん暖かい日が増えてきて、そこかしこであの可愛らしい花を見かけるようになりました。そう、タンポポです。ところで、日本で見られるタンポポにも種類があるとご存知ですか?

古くから日本に自生している在来種には、カントウタンポポやカンサイタンポポ、シロバナタンポポなどがあります。それに対し明治以降に外国から持ち込まれた外来種は、セイヨウタンポポやアカミタンポポなどです。在来種は外来種に比べると、開花時期が春の短い期間に限られ種子の数も少ないため、近年ではどんどん数が減っています。近年都会で見られるタンポポのほとんどは、セイヨウタンポポです。「総苞(花の基部を包んでいる緑の部分)の反り返っているものが外来種で、反り返っていないものが在来種」「花にボリュームのある方がセイヨウタンポポ、控えめなのがカントウタンポポ」という方法で見分けがつきます。近所のタンポポを観察して確認してみるのも良いですね。

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伝記

伝記

2022/3/14 考える知識

皆さん、偉人の生い立ちや功績を記録した「伝記」を読んだことはありますか? 親子や友だちの間だけでは知り得ない様々な人々の生き方や、偉人たちの意外な弱い一面などを知り、本を通して一種の先行体験を得られるのが伝記の魅力です。今回は出版社さんの売れ筋ランキングを元におすすめの伝記を紹介します。

 まず、長年ランキング上位に入っているのは、身のまわりのたくさんの疑問にひとつずつ自分の答えを見つけていった「エジソン」。彼が「世紀の天才発明家」と呼ばれるようになるまでの軌跡をたどることができます。女の子には、まわりに反対されながらも看護師を志した「ナイチンゲール」も根強い人気です。戦場の病院でさまざまな問題をのりこえ、傷ついた人々のための本当の看護について考えていく様子が描かれています。最近では、現在放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に合わせ、承久の乱で朝廷軍を打ち破り日本の武士の世を確立させた「北条義時」も流行りのようです。ドラマをより深く理解するために伝記で予習するのも良いですね。

 また、オーソドックスな伝記ではありませんが、偉人の「ダメ人間エピソード」をたくさん収録した本などもありますよ。ときにはクスリと笑えるような失敗からも、大いに学ばせてもらいましょう!

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脂肪動機

脂肪動機

2022/1/5 考える知識

皆さん、お正月はどのように過ごしますか。おせちやお雑煮などをついつい食べ過ぎてしまうという人も多いかもしれませんね。そうなると気になってくるのが体脂肪です。

体脂肪とは体に貯えられた脂肪のこと。体重に占める体脂肪の比率をパーセントで表したものは体脂肪率と呼ばれ、健康状態の目安の一つにもされています。最近では体脂肪計なども普及し、一般家庭でも体脂肪率を測りやすくなりました。しかし、一般的な体脂肪計で採用されている「微弱な電流を身体に流す」方法は、気軽にできる反面、正確な測定が難しいそうです。では、もっと正確に体脂肪率を測る方法はないのでしょうか?

 もちろんあります! それは「水中体重秤量法」と呼ばれる、アルキメデスの原理の応用で、水中に全身を沈めて水中にある体重計で体重を量り、大気中での体重との差から身体密度を計算して測定する方法です。体脂肪は約0.9g/㎤、その他の組織は約1.1g/㎤ですから、同じ重さでも押しのける水の量が違う……ってわけ。でも全身が入る水槽を用意しなきゃいけないなんて、やっぱりお家では難しいですね。

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印象の化石!?

印象の化石!?

2021/12/14 考える知識

 皆さん、化石と聞くとどんなものを想像しますか。多くの人は、恐竜の骨やアンモナイトの殻などを真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか。生物の身体が長い年月を経て、鉱物に置き換わったものですね。しかしそのような化石の他に、巣穴や足跡、糞、“印象”なんてものも化石になりうるというのをご存知でしょうか。

 ここでいう印象というのは、生物の輪郭のことです。生物が死んで身体の表面が泥に押しつけられると、身体そのものは腐っても、泥についた痕が化石になることがあります。これが印象化石です。

 骨や貝殻の化石に注目が集まりがちですが、巣穴や足跡、糞などの化石(生痕化石といいます)や印象化石は、かつてどんな生物がどのように生活していたかを知る大事な手掛かりだといえるでしょう。

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昆虫の冬越し

昆虫の冬越し

2021/11/9 考える知識

 だんだんと寒くなってきましたね。こんな時期は外で散歩をしても、夏の間によく見かけたバッタやカマキリ、セミやトンボの姿が見られません。彼らは冬の間どこで何をしているのでしょうか。

 実は一口に昆虫と言っても様々で、卵の状態で冬を越すもの、幼虫の姿で冬を越すもの、さなぎの状態で冬をこすもの、成虫の姿で冬を越すものがそれぞれいます。

 たとえば、カマキリやコオロギ、バッタなどは卵で冬越しします。すべて「不完全変態」と呼ばれ、さなぎの時期がない成長過程を持つ虫ですね。

幼虫で冬越しする虫は、どこで冬を過ごすかによって大別できます。幼虫が土の中で冬越しするのがカブトムシやセミの仲間です。セミの幼虫は、冬だけでなく何年もの年月を土の中で過ごし、木の根から樹液を吸って生きています。儚いイメージのセミですが、実は昆虫の中ではトップクラスの長生きなのです。また、クワガタやカミキリムシの幼虫は、枯れかけた木の中で冬越しし、ホタルやトンボの幼虫は水の中で冬越しします。

 チョウの仲間の多くはさなぎの姿で冬を越しますが、成虫の姿で冬越しするキチョウや幼虫の姿で冬越しするオオムラサキなどの例外もあります。

 成虫になって冬越しするのは、テントウムシ、ハチ、アリなどです。テントウムシは落ち葉の下などに集団で身を寄せ合っています。アリは寒くなると土の中に潜り込み、眠ったように動きません。

人間の目に触れない間、昆虫たちは寒さに耐えてじっと身をひそめているのです。

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