コラム

暖冬

暖冬

2020/2/1 考える知識

この冬は東日本と西日本を中心に平年の平均気温を上回る暖冬が続いています。お陰でダイコンなどの野菜が豊作ですが、一部の農家からは悲鳴があがっています。育てている作物が豊作になるのは良いことのようにも思えますが、何故悲鳴があがるのでしょうか。

 皆さんは「豊作貧乏」という言葉を知っていますか。農作物は豊作になりすぎると、しばしば価格低下を起こします。需要(じゅよう)に対して供給過多となるからです。酷いときには価格が下がりすぎて、売れば売るほど赤字になってしまいます。この現象が豊作貧乏です。

 暖冬傾向はこの先もしばらく続く見込みで、そのために廃棄される農作物は例年の5倍から8倍にのぼると見られています。消費者側は質の良い農作物を安く手に入れることが出来ますが、背後にはそういった農家の苦労があるのです。

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サンゴ礁

サンゴ礁

2020/1/5 考える知識

最近、環境に関するニュースなどでサンゴをめぐる話題が多くなっています。特に「サンゴ礁を作る造礁性サンゴの白化が深刻な状態にある」という話を耳にすることが増えていますが、そもそも白化とは何か、サンゴ礁の白化が進むと地球の環境にどんな影響があるのか、皆さんはご存知ですか。

サンゴは褐虫藻という藻と共生しており、褐虫藻が光合成で生み出す養分をもらって生きている動物です。環境悪化などで褐虫藻が減ると充分な養分が得られず、サンゴの骨格が白く透けて見えてきます。これが白化です。白化がひどくなったサンゴは死んでしまいます。

そしてサンゴ礁は全海洋の0.2%を占めており、海洋生物の種数の四分の一から三分の一がサンゴ礁に生息すると言われています。また、サンゴ礁には自然の防波堤として近辺の島を波から守る働きもあります。サンゴが死に絶えるということは、サンゴ以外の多くの生物も危険にさらされるということなのです。

ではサンゴを守るために、私たちは何ができるのでしょうか。まずは一人ひとりがこうした状況に興味や関心をもつことです。自分には関係ないと思わず、何が起こっているかを知ること、危機感を持つことを大事にしましょう。

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クモの糸

クモの糸

2019/12/9 考える知識

歩いていたら何かが千切れるような感触がして、気がついたらクモの巣に引っ掛かっていた……なんて経験はありませんか? 急いでいるとき顏や髪にクモの糸がつくとなかなか取れずにイライラしますが、実はこのクモの糸がすごい可能性を秘めた素材であると皆さんご存知でしょうか。

なんと強度は鋼鉄の約5倍、伸縮率はナイロンの約2倍もあり、計算上は、鉛筆ほどの太さの糸でクモの巣を作ればジャンボジェット機ですら捕まえられます。しかも鋼鉄よりもずっと軽く、300度の熱にも耐えられ、紫外線にも強いなど、まさに夢の繊維です。

 クモは縄張り争いや共食いなどが起こりやすいため養殖が難しく、長らく大量生産ができないとされてきましたが、近年はバイオ技術により人工的にクモの糸を作り出すことに成功し、宇宙服や飛行機、人工血管への利用など、様々な分野での実用化が期待されています。

 それを知ると、クモが巣を張る姿も応援したくなる……かも!?

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リチウムイオン電池

リチウムイオン電池

2019/10/29 考える知識

2019年のノーベル化学賞が、リチウムイオン電池の開発に貢献した吉野彰さんら3人に授与されることが決まりました。何の役に立つのか一般人には分かりづらい研究が対象となりがちなノーベル賞ですが、リチウムイオン電池は、スマートフォンや電気自動車の心臓部などのバッテリーに使われている身近なものです。

 従来の電池では「たくさんの電気を溜めておくこと」や「充電して何度も使うこと」ができませんでした。とても重い材料を使っていたので、持ち運びにも不便でした。ところが、1970年代にウィッティンガム氏が、リチウムという金属を電池のマイナス極に使うことによって「蓄電能力が高く、充電ができて、とても軽い」電池が作れることを発見したのです。しかし、その電池には破裂しやすいという欠点がありました。その欠点を解消し、より効率の良い製品に仕上げたのがグッドイナフ氏と吉野氏なのです。

蓄電能力が上がった現在のリチウムイオン電池には、環境に優しい太陽光電池や風力発電の、天候に左右されるという弱点を補う役割が期待されています。また、災害への備えになる点も評価されています。開発から40年越しの受賞にも、きちんと理由があるのですね。

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世界に誇る児島のジーンズ

世界に誇る児島のジーンズ

2019/10/3 考える知識

 高い品質で海外のジーンズファンからも高い評価を得ている岡山のデニム。岡山の中でも特に倉敷市児島はジーンズの街として知られていますが、そもそも何故この地でデニム産業が栄えたのでしょうか?

 昔、児島は名前の通り島でしたが、江戸時代初期に干拓によって本土と陸続きとなりました。干拓地の新田はもともと海だったことから塩気があり、それが抜けるまでは米などが栽培できないので、米が作れるようになるまでの間のつもりで塩気に強い綿花の栽培を始めたところ、大成功し、その後も引き続き栽培されるようになったという歴史的な背景があります。更に、倉敷市と同じく岡山にある井原市は、江戸時代から藍染めを得意とする地域でした。そこで綿や藍染めを活かし、戦後になってジーンズが作られ始めたという訳です。

 現在岡山では、ジーンズ作りに必要な工程のほとんどを県内で完結させることができます。世界に誇る「岡山デニム」は、地元の特産が上手く組み合わさって作り出されているのです。

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種子島

種子島

2019/8/26 考える知識

前回のコラムでは、「はやぶさ2」について書きました。種子島には宇宙センターがあり、日本で人工衛星やロケットを打ち上げるに際はここから打ち上げられます。はやぶさ2も例外ではありません。では、なぜ種子島が打ち上げ場所として選ばれたのでしょうか?

 第一に、人口密集地から離れているため。万が一事故が起きても被害が最小限に済むよう配慮されているのですね。

そして第二に、赤道に近いためです。地球上には、物質同士が互いに引き合う引力と、地球の自転によって発生する遠心力がはたらいていて、これらを合わせたものが地球の中心に向かって引っ張られる力、つまり重力となります。遠心力が少ない南極や北極に比べ、遠心力が大きい赤道付近では重力が小さいということです。当然、重力が小さいほうがロケットなどを打ち上げやすくなります。

 ちなみに、アメリカのロケット打ち上げ基地は南部のフロリダ州、ロシアの打ち上げ基地は南側にあるカザフスタン共和国と、やはりどの国も極力赤道近くに打ち上げ基地を置いています。ロケットや人工衛星そのものの開発だけではなく、打ち上げ場所一つ取ってもきちんと計算されているのですね。

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すごいぞ、はやぶさ2!

すごいぞ、はやぶさ2!

2019/7/31 考える知識

先月11日、種子島を飛び出して4年半あまりのJAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」が、再び小惑星リュウグウへの着陸に成功しました。それだけではありません。世界で初めて、小惑星内部の物質採取に成功したのです。

はやぶさ2は今年2月、小惑星表面の物質を採取するために1回目の着陸に成功。4月には、小惑星に弾丸を放ちクレーターを作りました。クレーターを作った際に噴き出した地下の物質は、太陽光などの影響を受けず、小惑星が生まれた頃の状態を保っているとみられています。

そして今回の2回目の着陸で、その地下物質が採取されたというわけです。これが無事地球に持ち帰られれば、太陽系の起源を探る研究に役立ちます。はやぶさ2は今年中に小惑星を離れ、来年には採取した物質を地球に届ける予定です。宇宙の秘密が1つ解き明かされるかもしれないなんて、ワクワクしますね!

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ウニとボクは仲間?

ウニとボクは仲間?

2019/6/28 考える知識

ヒトとヒト同士は、赤の他人であっても遺伝子が99.9%同じ。ご存知でしたか? こんなに見た目が違うのに、不思議ですね。とはいえ、動物から見たらみんな同じように見えるのかもしれません。

ではヒトと動物ならどうでしょうか。チンパンジーなら99%、ウニなら70%、ハエなら60%程度、ヒトと遺伝子が一致しています。ウニで70%! 思ったよりも高くはありませんか? 目も手もないウニが、ハエよりも私たちに近いなんて。

実は、現在地球上に存在する動物はざっくり5つに分けられているのですが、ヒトもウニも「新口動物」に分類されています。ハエをはじめとする昆虫は「脱皮動物」に分類されていて、ヒトとは遠い存在です。なんでも、進化の過程でヒトと別々の道を歩み始めたのが、昆虫よりもウニの方がずっと後なのだとか。実際、受精卵が細胞分裂してからだの出来上がっていく過程を観察すると、ヒトとウニは口や肛門の出来方が良く似ています。

人は見た目が9割……なんて言いますが、ウニのやつときたら見かけによらないものですね。

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憧れの北欧

憧れの北欧

2019/5/27 考える知識

 ここ数年、日本では「北欧家具」のブームが起きていますね。北欧家具とは、スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランドといった北欧(北ヨーロッパ)諸国のメーカーが作っている家具の総称です。イケアを始めとする北欧家具を扱う量販店などの登場により、私たちにとってより身近なものとなりました。

では、何故、日本で北欧家具がウケているのでしょうか。

理由の一つに、北欧家具の「自然素材の模様や色・質感を生かしたデザイン」が、同じく木や紙・漆喰(しっくい)などの自然素材を生かした日本の家と好相性であることが挙げられます。美しい森や湖などの多い北欧には、自然の美を大切にする考えが根付いているのです。

また、日照時間の短い北欧では室内で過ごす時間が長いため、家具に対するこだわりが強く手入れ次第で長く使うことができるのも特徴です。「良いものを長く使おう」という考え方が、職人の業に価値を感じる日本文化にマッチしたのでしょう。

 流行の裏には、文化的な背景があるのですね。

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津田梅子

津田梅子

2019/4/26 考える知識

先日、紙幣のデザインが刷新されることが発表されましたね。一万円札の肖像には渋沢栄一、五千円札の肖像には津田梅子、千円札の肖像には北里柴三郎が起用される予定です。中でも今回は「女子教育の先駆者」とされる津田梅子についてお話ししましょう。

津田梅子は、明治になって欧米に派遣された岩倉使節団に随行してアメリカに留学した幼い少女5名の中の1人でした。帰国後、梅子は女学校の先生になります。ここで引用したいのが、教え子・山川菊栄が残した梅子についての言葉。

「あのまあるい拳を固めて机を激しく続けざまに叩きながら『ノウ、ノウ、ノウ、ワンスモア、ワンスモア』と荒々しく叫んで、何十返となく発音を繰り返させられた。(中略)あの真剣な、命がけの熱心さ、生徒の出来不出来に伴う子供らし不機嫌、無邪気な笑ひ!先生の命はあの中にあったのだ。」(原文ママ)

かなりの熱血ぶりが伺えますね。日本の女子に最高の教育をほどこすことこそが自分に与えられた使命だと信じた、津田梅子ならではのエピソードでしょう。

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